「ふるさと納税とiDeCo、両方やると損するらしい」
これは半分正解で半分間違いです。
実際の構造はこうなっています。
- 併用するとふるさと納税の上限は数千円下がる
- でも、iDeCoで年間数万円の節税が発生する
つまり結論はシンプルで、多くの人は併用したほうが得です。
それでも「数千円減る」が気になって踏み切れない人が多いので、この記事では損しないための正しい順番と、リアルな数字を解説します。
本記事の前提
本記事は2026年5月時点の制度に基づきます。試算は独身・他の控除なしの会社員モデルです。住宅ローン控除や扶養家族の有無で金額は変動します。
❌① そもそも併用できる?
結論。普通にできます。
ただし問題はここ。
iDeCoをやると、ふるさと納税の上限が下がります。
理由はシンプルで、次のシーソー関係になっているからです。
- iDeCo → 全額所得控除(課税所得が下がる)
- ふるさと納税の上限 → 課税所得ベースで決まる
つまり「片方やると、もう片方の上限が動く」関係性。これが「両方やると損」と言われる正体です。
❌② 上限はいくら下がるのか
結論から言うと、多くの人は数千円減るだけです。
iDeCo(月23,000円・年276,000円)と併用した場合の、ふるさと納税上限額の変化を年収別に整理します(独身・他の控除なしの会社員ケース)。
| 年収 | iDeCoなし | iDeCoあり | 差額 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 約 42,000円 | 約 33,000円 | -9,000円 |
| 500万円 | 約 61,000円 | 約 55,000円 | -6,000円 |
| 700万円 | 約 108,000円 | 約 99,000円 | -9,000円 |
| 1000万円 | 約 176,000円 | 約 162,000円 | -14,000円 |
※あくまで目安。住宅ローン控除や医療費控除がある人はさらに変動します。
「上限が下がる」と聞くと大きな損のように感じますが、実際は数千円〜1万円台の差です。
❌③ それでも併用が得な理由
ここが一番重要です。
年収500万円・iDeCo月2万円のケースで、実際の損益を計算します。
iDeCoの節税効果
- 年間掛金 240,000円
- 所得税の節税 約24,000円(税率10%)
- 住民税の節税 約24,000円(税率10%)
- 合計 約48,000円の節税
※年収500万円の課税所得は約300万円前後で、所得税率10%帯に入るケースが多いため、ここでは10%で試算しています。年収700万円以上なら税率20%帯となり、節税効果はさらに大きくなります。
ふるさと納税の上限減少
- 上限が約6,000円減少
- 返礼品の還元率3割として、失う返礼品は約1,800円相当
差し引き
節税48,000円 − 失う返礼品1,800円 = 約46,000円のメリットが手元に残ります。
つまり「上限が減るデメリット」よりも「iDeCoの節税メリット」が圧倒的に大きい。これが、多くの人に併用がおすすめされる理由です。
❌④ 正しい順番(ここ超重要)
ここを間違えると、せっかくのメリットが消えます。
正しい流れ
- iDeCoの掛金を決める
- その状態でふるさと納税の上限を計算
- 上限内で寄付する
間違えるとこうなる
iDeCoを考慮しないでふるさと納税の上限を計算すると、超えた分はまるごと自己負担になります。
具体例。
- 本来の上限 55,000円
- 間違えて61,000円寄付した
- 結果 6,000円がそのまま自腹
返礼品の還元率3割として、約4,200円の純損失です。
シミュレーターを使えば事前に防げる話なので、必ず確認してから寄付してください。
❌⑤ ワンストップ特例の落とし穴
最後にもう一つ。
確定申告する人はワンストップ特例が使えません。
特に注意したいのは次の4ケース。
- 副業で年間20万円超の所得がある
- 医療費控除を受けたい
- 住宅ローン控除の初年度
- 自営業・フリーランス
これらに当てはまる人は、ふるさと納税もiDeCoもまとめて確定申告で処理することになります。
iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として申告書に記入します。年末調整で済ませる場合は、10月頃に送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」を会社に提出すればOKです。
iDeCoの加入条件と拠出限度額
iDeCoの拠出限度額は加入区分で変わります。
- 会社員(企業年金なし) 月23,000円(年27.6万円)
- 会社員(企業型DCあり) 月20,000円(かつ55,000円−事業主掛金の枠内)
- 会社員(DBあり) 月20,000円
- 公務員 月20,000円
- 自営業 月68,000円(年81.6万円)
- 専業主婦・主夫 月23,000円
※会社の規約によってはiDeCo加入不可の場合もあるため、人事や運営管理機関への確認が必要です。
NISAとの優先順位については NISAと企業型DC、どちらを優先? も参考にしてください。
まとめ
やることは3つだけです。
- iDeCoの掛金を決める
- その状態でふるさと納税の上限を計算
- 上限内で寄付する
ふるさと納税とiDeCoは、知らないだけで損する制度の代表格です。年収500万円の人なら、併用するだけで年間4〜5万円の節税+返礼品が手に入ります。
まずはシミュレーターで自分の数字を確認することから始めてください。
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参考情報源
※ 本記事は2026年5月時点の制度に基づきます。最新情報は公式情報をご確認ください。

